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川崎市の介護事業所「明寿会のなじみグループ」

健脳健国集団リハビリをスタート

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    はじめに)

    戦後70年は西洋医学70年の歴史である。

    東洋医学、日本民族医学が等閑視された70年でもある。

    昨今まるで70年かけて病人が減少し、老人が減少したかのような医療政策、介護政策が出されている。

    巷の現実は逆であるが。

     

    介護施設から老人が必要な入所を拒まれ、介護をもとめる病弱老人アパートからヘルパーが締め出されている。

    病院は必要なベットの増床ができない状態である。

    戦後70年かけて積み上げた社会保障を削り、連合国参加にそれを回すことが至上命令になっている内閣がある。

     

    健脳健国集団リハビリ)

    健やかな脳を目指し、健やか国づくりを目指して介護の仕事をしたいというのが、この名称をつけた気持ちである。

    認知症が増えるといわれ、他方で日本社会が本格的に連合国の一員としてアメリカを守り、その利益のために紛争地域に青年をおくることを決定しようとしている。

     

    私が青年時代のときは、アメリカのベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争など日本の国土から後方支援部隊を送り出してきた日本。

    今度は一歩踏み出して、直接生身の青年たちを、日本の若者を英語で教育してアメリカの手下にし、人を殺してみたかったと言わせるようなメディア教育をしながら、世界の紛争地域の最前線に出し、米国のために命を投げ出すことになろうとは。

     

    イントロ)

    私たちの施設は川崎区の多摩川近くにあって、伊勢町公園は高齢の利用者をつれて春の花見によく行く。

    今年の3月8日にこの伊勢町公園のトイレでボヤ騒ぎがあり、その後あの少年たちの凄惨な事件が発覚して驚がくしたのである。

    まさに私たちの生活圏、活動圏内であった。

     

    私たちが地域の高齢者のお世話をしているのは、同時に地域の子どもたちのためであり、私たちの子や孫たちが未来あることを確信し、地域の跡継ぎとして生きて貰いたいためでもある。

    この事件以来、わたしは決意を固めた。

    たしかに長崎や名古屋で、青年が生きる目標を見失い、破滅的な行動を取っていた。

    これは回り回ってみれば、私たち大人の責任である。

    大人が地域の未来、日本の将来に漠然としており、「平和ぼけ」状態にある中でこのような考えられない事件が起きた。

    それはまず自らが立ち上がる必要を感じさせたのである。

     

    私は、今まで戦後の混乱から幼少期に母子家庭を経験し、貧乏やいわれなき差別区別を経験し、人生の真理、社会の真理や原理原則を求めて大学にも行った。

    どこも基本変わらず、その過程で長周布新聞を読むようになり、その視点の鋭角さを知った。

    だが私たちの生活と医療福祉活動の場所の横で事件は発生した。

    これからは自分の仕事そのものを鋭角化し、戦争体験者の老人の命をかけた生き様に肉薄し、彼らが伝えたいと訴えてきた事を実現させなければならない。

     

    日々の具体化のはじまり)

    午前10時から10時45分まで、デイケア室にて健脳健国集団リハビリを行うことにした。

    そのプログラムは①もしもし亀よ・・・のウサギとカメの童謡からスタートした。

    明治に作られ、子どものために亀のようにゆっくりだが着実に人生を送りなさいというメッセージのあるもの。

    ともすれば他人を追い落とし、見て見ぬふりをする個人中心で社会全体の風潮に無関心な時代に疑問を問いかける童謡である。

     

    その後は桃太郎、戦友を歌いながら、お互いにリリアンで丸編みした毛糸を輪にして回すものである。

    認知症の人も、麻痺で手が拘縮している人も、その手の中を毛糸タスキを通して握り、回す感触を得てもらう。

    上位中枢の支配を失って固く拘縮した手に毛糸紐の感触と動きが求心性の刺激をもたらして大脳の活性化とリハビリ意欲の契機となる。

    病気から来る認知症者には把握反射による強いタスキ握り締めも、集団まわし刺激を通じて一人ではない、孤独ではない安心感が生まれ、いつしか強く握り締めなくなっていくのである。

     

    手の役割りと歴史)

    人類の発達は手からの情報、刺激が大きくかかわったと言われている。

    エンゲルスの書いた「猿から人間への手の役割」を読むと、時実利彦の「脳と人間」にある大脳の分業地図、その分業の上下関係がわかる。

    この本の中にはオオカミ少年のことがでてくる。

    赤ん坊が森へ捨てられ、オオカミに育てられた人間の子どものことで、人間がオオカミの洞窟環境生活で二足歩行を中途挫折した場合、大脳前頭野の発達は止まっている。

    人間の言葉もしゃべらず、四つ足で歩き、オオカミのように吠えたという。

    手がただ地上にて身体を支える役割だけになった。

    抗重力作業である。

    その結果、本来の手からの求心性刺激は激減してしまった。

     

    同じく認知症は手はあるが、その先の大脳皮質中枢、特に前頭葉が廃用性萎縮している。

    これを手からのタスキの刺激で活発化させようということである。

    なつかしい歌を歌いながら、握りしめて話さない人は隣の仲間の方に促されたり、教えられたり協力しながら行う。

     

    今後は歴史的に大脳前頭野を創ってきた手が、今度は大脳前頭野の廃用性萎縮を刺激回復させようということである。

    手の刺激ルートと前頭野細胞とは物質的に確実に存在しているのである。(人間は前頭葉がもっとも発達した動物である。点線部分)

     

     

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